17 テストの受け方③

テストの受け方③

小学校低学年の頃、『つぎのことばのはんたいのことばをかきなさい。』という問題で、「とおい」に対して「いおと」、「おおきい」に対して「いきおお」と答える子供がある程度います。そう答える子供たちは、言葉の持つ音に興味を持っています。「『てぶくろ』の反対は『ろくぶて』だなあ」と気づき、少し感動している時期です。この子たちはテストが返却され、「いおと」が×で「ちかい」が○と教えられ、「そういえば、この前の授業で習ったな。」と反省し、反対といえば、意味のことだと考えるようになります。さらに、「てぶくろ」と吹き込んだ録音データを逆再生して、「おるくべと」と聞こえることにびっくりするかもしれません。

小学4年生頃までは、このように、自分の思い込みを訂正するのにちょうどいい道具としてさまざまなテストを使えばよいのです。

しかし、自分を評価したり、自分の進路を左右するテストでは、テスト問題の作成者の意図を正しく受け取り、実力を発揮しなくてはなりません。このために必要な第一歩は、「テスト問題の作成者の存在を忘れないこと」です。そして、問題を解いているときは常に、「問題作成者と向き合い、『あなたは私に何を答えてほしいのか』を尋ね、問題作成者の身になって、解答すること」が決め手になります。

問題作成者の側からいえば、正解を一つに絞るために問題文の中で解答そのものに近いことを述べる必要があってもそれは言えないので、「これでわかってくれ。」という言い方になるからです。