35 現実に反応する力

現実に対応する力

交差点で信号が青だから、道路を渡り始めた。が、車が突っ込んでくる。信号無視だ。飛びのいて難を逃れる。これは分かりやすい。

おなかがひどく痛い。医者に行ったら虫垂炎で入院。無事盲腸の手術が終わり事なきを得る。これも簡単かもしれない。

昔、運動部ではうさぎ跳びという鍛錬の仕方があった。つらいので嫌がられたが、「つらい鍛錬こそ効果がある」という考え方で、採用する部は多かったようだ。鍛錬の効果は、それがつらいかつらくないかには関係がない。もちろん、つらい鍛錬の中には効果の高いものもあるだろう。うさぎ跳びの場合は、つらいが効果はなく筋肉を傷める危険があるということだ。

「今つらければつらいほど将来幸せになれる」という考え方は、今でもある程度支持されているようで、極端な場合は、「今楽しみにふけるのは将来の不幸を約束する」という考え方まであるらしい。関係ないものをもっともらしく結びつけるのはとてもよくない。

人はみな、今大いに楽しむのがよいし、また、将来に備え、(どんな年齢であっても)最も効果的な鍛錬を行うべきです。ところで、さまざまなインチキを見破って、現実に的確に反応する力を養うには、受験勉強は効果的ですよ。