町に活気があるときはいつなのか。その人の商売によって、その答えは違うようです。私がこの町に来た当時、大工さんや寿司屋さんと話をすると、判で押したように「10年前は良かった。今はもう駄目だ。」というのです。「だれにとっていつ町は活気があるのか」私の見てきたことを何回かに分けてお話しします。まずは自分のことについて。
今から48年前の1975年、私が学習塾を開くためにひばりが丘にやってきたとき、ひばりが丘団地は入居開始から15年たっていました。また、そのほかの分譲地も十数年を経た頃でした。ここで所帯を持った家庭に生まれた子供たちが中学生になり始めた頃だったわけです。当時のひばりが丘は、学習塾にとって「活気のある町」だったのです。ただ、その頃は日本全国の町には補習中心の塾はあっても、受験指導を体系を立てて行う学習塾はほとんどありませんでした。受験指導の必要な家では、つてを頼り、学生に家庭教師を頼んでいたのです。ですから、私の開いた塾が受験指導を行うところだとわかってもらうのに少し時間がかかりました。わかってもらってからは比較的順調でした。私自身は全くビジネスのわからない人間ですが、何せ「活気のある町」でしたから。それに、何人もの方が放っておく訳にいかないと強く支持してくださいました。今も心から感謝しています。
次回に続きます。