「someとanyは同じ意味だが、肯定平叙文のときsomeを使い、疑問文と否定文のときanyを使う」という趣旨のことを述べる人がいます。たとえば、「I have some brothers. とDo you have any brothers? の二つの文のsomeとanyは同じ意味だ。」というのです。
事実は、「I have some brothers. のsomeは『ある程度の』という意味で、兄弟として常識的な数を示すが、Do you have any brothers? のanyは『何人であろうと』という意味で、数を限定しないことを示している。」
Will you have some tea? のsomeは『ある程度の』という意味で、お茶として常識的な量を示す。だから、お茶を勧めるのにふさわしい。それに対して、Will you have any tea? というと、「どんな量のお茶でも」といっているから、茶さじ1杯かもしれないし、バケツ1杯かもしれない感じがして、勧められた方が戸惑うというわけです。Will you have some tea? は、ものを勧める言葉だからクエスチョンマークがついていても疑問文ではないなどという苦し紛れの説明は、間違いです。
someは、『常識的な数(または量)』を表します。例えば、
Some students play tennis, and some read books.(テニスをする生徒もいれば、読書をする生徒もいる)
Will you have some more coffee?(もう少しコーヒーをいかが?)
I don’t know some of the students.(中には知らない生徒もいます)
のように使います。
肯定文、疑問文、否定文のどれにも使います。
anyは、『どんな数でも(どんな量でも)』と限定しないことを表します。例えば、
Any dictionary will do.(どんな辞書でもいいです)
Are there any 82-yen stamps?(82円切手はありますか?)
I don’t know any of the students.(どの生徒も知りません)
のように使います。
肯定文、疑問文、否定文のどれにも使います。
このように、「someとanyは、意味は全く違っている。そして、どちらも肯定文にも疑問文にも、否定文にも使う。」ということに気付くまで勉強すると素晴らしい。