受験勉強が選別のための必要悪のように言われることがあります。つまり、入試で合格するためにだけ役に立つが、その後の生活には社会でも、家庭でも、個人でも役に立たないというのです。この意見は説得力があるらしく、賛成する人がたくさんいます。
私の意見は違います。受験勉強をする中で身につけるもののうち、大切なのは、個々の国語・算数(数学)・理科・社会・英語の学力よりむしろ、問題解決能力です。もしあなたが、世界で活躍するスポーツ選手や楽器演奏者ならば、自分の行う練習と試合(公演)を通じて、この大切な力=問題解決能力を若いうちに養っているはずです。どんな練習をすれば自分が伸びるのか、本番に自分の力がピークを迎えるようにして自分の持っている力を大いに発揮する方法を身につけていることでしょう。ところが、たいていの人にとっては、中学受験、高校受験、大学受験の時の受験勉強こそが、この問題解決能力を身につける機会となります。